
詰むとわかっていたら初手は簡単

実戦だと「はい詰将棋の問題です!」とはならないから、まずそもそも詰むのかどうかを疑えるかが一番高いハードルだよね。
まあでもそのレーダーは将棋指すほど勝手に感度が良くなっていくから、とりあえず読者には「なんか詰みそう」と気付いた前提で考えて欲しい。
以下は、なるべく自分で考えたい人のために、少しずつヒントが開示されていく構成にしてあるから、難易度はお好みで調整してね。
どっちなんだい!

詰むなら5三金しか手が続かないから、とりあえず5三金だね。
同金は同馬、7二玉、7一龍で簡単に詰むから、7二玉と逃げるのは確定。
さて、ここで二択を迫られるね。
有効な王手を続けようと思ったら、「6二金」と「7二龍」しかない。
どっちが正解か、はたまたどちらも正解か。

正解は6二龍!
6二金の方が龍が残るからなんとなく強そうで詰みそうだよね。
でも8二玉と逃げられたとき、次こちらがどう王手しても9三玉で詰みはない。
ま、詰みがないだけで受けもないから、実戦なら6二金も正解。
第3図以下、同銀、同金、8二玉と進むと…
ぽつねんぽつねんぽつねんじん

ぽつねんと金が残ったけど、持ち駒をどう使っても詰まないね。
なんかこう、マジックハンドで遠くのものを取ろうとして全然取れない、みたいな感じ。
そう、その感覚がヒント。
札束でぶん殴る

持ち駒がないなら盤面の駒を使えば良いじゃない。
マリー・アントワネット
心の中にマリー・アントワネットが住んでいない人はこれを気にインストールしましょう。
この金捨てに9三玉と逃げるのは7一馬で簡単な詰み。
9二玉も、9三銀と捨てると、同玉はさっきと同じく7一馬の筋を再利用。
同桂はシンプルに8二金。
9三に銀ではなく金を捨てたなら、桂馬がいなくなった8一に銀を打って詰み。
第5図以下、7二同玉と進むと…

そろそろ詰め上がりまで見えてきた人も多いんじゃないかな?
次の一手はね、一度でも見たことがあればなんてことはないんだけど、知らないと難しいかも。
だから一応、自分で思いつきたい人のために隠すね。
ザシュザシュ

6一銀が指されるとなるほどの一手。
同玉は頭金だし、7三玉も尻金まで。
第7図以下、8二玉と進むと…

あともうひと踏ん張り。
これもまた知らないとさせないから、一応隠すね。

7一馬が最後の決め手。
これで有名必至の形だね。
同玉は頭金まで、7三玉は7二銀成、6三玉、6二馬まで。
したがって9二玉しかないけど、8二金〜9三玉〜7二金の空き王手でフィニッシュ。
この6一銀、7一馬のような斜めにザシュザシュとする筋は実戦でよく出てくるから、知らなかった人もそのうち覚えると思う。
無理に暗記しなくても、ま、そのうち頭に入るさ、くらいで大丈夫。
意外と基礎的な手筋の組み合わせで詰むから、長手数でも解きやすかったかな?

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