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将棋は戦略ゲーではなく思想ゲー

中盤
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本当に将棋は戦略ゲーなのか

本題に入る前にちょっと小話。

この記事が3記事目なのだけど、なかなか筆が進まなかった。
書こうと思えば書ける。
将棋ウォーズで数回対局をして、AIと一緒に感想戦をして、こんな最善手がありました〜みたいな感じで、超機械的な作業だから。
でもそれだとどこか釈然としない自分が居た。

そんな中、昨日、警察にスピード違反で捕まったのが転機だった。
田舎の道路は標識がなくても(60km/h制限)80km/hくらいの速度を出すのが普通で、そうしないと農産物を運ぶトラックが後ろびたびたに来て危ない。
車の流れがあるのね。
だから昨日も、後ろからズンズン来る車と車間を取るために60km/h以上出していた。

それでも後ろをのっぺりくっついてくるから、なんか変な車に後ろにつかれて嫌だな〜と思って80km/hくらい出した。
それでもすぐ後ろについてくるから、随分車間空けない気持ち悪い車だな〜と思った矢先、ミラーにパトランプが映った。
1万5000円。

まあこっちが100%悪いんだけど、警察車両でハンコとか押したりしている中、普通に隣を飛ばしている車が横切っていくのを見て、「いや、あの車も違反なのだから、いっそスピードを測る機械を設置して無人化すれば良いのに」と思った。

「正しさが目的で取り締まりは手段」なのだから、手段によって正しさ(この場合は公平さ)が損なわれちゃあおしまいだよね。

でもこれが良いヒントになった。

この局面、最善手は5五桂馬なんだけど、実戦は6五桂馬と跳ね散らかした。
まず陣形がイカれてると思うんだけど、実はこれ白ビール(振り飛車AI)の右四間飛車対策。
江戸時代の振り飛車に近いよね。

以下、6五桂馬、同銀、6六歩と進んだ。

6五同銀のところで、代わりに6五飛車だとこちらが不利だった。
不利だけど、2九飛車から相手の玉頭を攻めていけば、とりあえずこちらもやりたいようにはできる。
この作戦自体が、「6七銀・5七銀型で右四間飛車の攻めを封じる」「左半分を絶対に押さえ込んで右半分で攻め合いにする」という思想背景があるので、同銀とできない時点でこちらとしては思想で勝っている。
相手は右四間飛車で一方的に攻めたかっただろうけど、少なくともそれだけは許さない。
振り飛車党として、そんな簡単に勝たせないという思想が大事なのね。

実際、相手が間違えて銀で取ってくれたから、6六歩でこれ以上の攻めは無くなった
ただただ一方的に攻められて終盤に突入するよくある定跡とは違って、少しでも間違えたら攻めが頓挫する(代わりに玉は薄いけど)この作戦は、正しさは劣るのかもしれないけれど、思想は間違いなく良い。

どうせAIと違って人間は間違えるのだから、最善手や正しさを追い求めるよりも、いっそそれを多少捨ててでも手段や思想にこだわる方が良いのかもしれない。
一生懸命取り締まる警察官からそんなことを思ったね。
彼らにちなんでこの作戦を「クラウン銀戦法」と名付けようと思う。

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