ヤハウェ銀

寄せの大局観

先手で四間飛車を採用し、中盤にかなり酷いミスをして、無理攻めでなんとか勝負形に持っていったところ。
ここからの逆転の仕方を考えてみて欲しい。

まず、自玉の安全度については、次に７九飛車や６八飛車と打たれると、完全に筋に入ってしまい受けが効かない。
４七角成のブッチや３九銀など、攻めの手段が豊富だからだ。
とは言っても、飛車打ちを防ぐ手段がない。
一手受けに回して、一手以上相手の攻めを遅らせるまともな受けが、もうこの局面ではない

受けが効かないなら、攻め合いに活路を見出していくしかないところ。
ここで大事なのが「大局観」。
いきなり枝葉の筋を読む前に、ざっくりと全体的に捉えて、考えなくて良いことを考える。
とりあえず、「寄せは包むように寄せよ」に倣うと、「５筋側」と「３筋側」の左右から挟撃していくのが良さそう。
そして、５筋側は既に数で勝っているので、５筋に何か駒や手をかけても過剰投資になる。
だから５筋側からの攻めは考えない。

というわけで、３筋方面から攻め合っていく順を考えてみて欲しい。
が、これがなかなか難しい。
３筋方面は守りが厚く、直接手が無いのでパッと思い浮かぶ手が無い。
実戦ではまいったまいったと思って棋神を使った（おい）。

３筋での攻防

評価値的には悪いが、正直実戦ではこちらが良いと思っていた笑
３筋からの寄せが成功し、相手は受けが効かなくなっている（厳密には違う）。
相手も自分も、後手玉はもう受けがないので、あとは先手玉が詰むかどうかがテーマになっていると、読みが一致していた。
後手としてはギリギリまで攻めを呼び込んで駒を蓄え、一気にそれを解放する感じ。
気合いパンチみたいな指し方だね。

以下、４七角成、同銀、２五桂馬、２六玉、４四角、３五桂馬、同金、同歩、同角、同玉、４四金、２六玉と進んだ。

この局面で相手の方の投了となり終局。
いつの間にか逆転勝ちしていた。
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という格言通り、本当に不思議だったので、AIで調べてこうしてブログにしている。
どこで逆転したかお分かりだろうか？

実はこの局面で４七角成としたのが悪手で、ここで一気に逆転した。
ここでは３三同角と、成桂も食いちぎって駒をより蓄えてから、４七角成を決行した方が良かった。
要するに気合が足りなかったのである（ばり失礼）。

以下、３三同角、同銀成、４七角成、同銀（じゃないと詰み）、２五桂馬、２六玉、と進む。

ここで後手に決め手があります。
さてなんでしょうか？

先ほどの投了図と比較すると、３筋の封鎖レベル（手厚さ）がかなり違うのに気付くと思う。
これがヒント。

なぜヤハウェ銀なのか

さて、今回はかなり悪い局面からの逆転について深掘りしていったが、そろそろ記事のタイトルを回収していこうと思う。
なぜヤハウェ銀なのか。

これは本当にくだらない（人によっては大事な話かもしれない）のだが、都市伝説やスピリチュアルが好きな知人の話で…

世界は一度赤に染まる
中国が世界覇権国家となる
ロシアがトルコに侵攻する
なんか色々あって核兵器をどこかが使う
その瞬間、ヤハウェが降臨して全てを消し去る

バリスピ系の知人

ヨハネの黙示録か何かの話だと思う。
本記事の目玉商品である２五銀が、２五桂馬の攻め筋を消し去りながら３筋方面の厚みを構築する、一石二鳥の手なのは前述した通り。
この、いきなりドーンっと降臨して局面がガラッと変わる感じが、なぜか筆者のヤハウェのイメージと重なったから、ヤハウェ銀と名付けたのだ。
…え、わかりづらいって？…終わり！